食事の基本は『主食・主菜・副菜』
それぞれを意識して召し上がれていますでしょうか?
また、それぞれの料理が身体で『どのような働きをしてくれる』かも意識できていますでしょうか?
管理栄養士ランナーである私佐原の評価もご参考にして頂きながら、それぞれの食材の特徴をチェックしていきましょう。
また、まだご覧になられていない方は
こちらの記事もお先にご覧になってみてください。
お米
白米 評価 ★★★★☆
~ “健康和食” の主役~
—エネルギー源栄養素量—
ご飯1杯=150g(写真サイズ=約0.4合)当たり
カロリー=252kcal
炭水化物=55.7g *食物繊維=0.5g
脂質=0.5g
タンパク質=3.8g
【メリット】
他の食材に比べて脂質が少なく、消化に良いのが特徴。
魚を使った主菜や、野菜などを使った副菜(漬物やお味噌汁など)といった他の料理と合わせやすい主食なので、トータルで見ると“健康的な主食”の1つになります。
【デメリット】
精米によってビタミンB群や食物繊維が少なくなってしまうこと。玄米と混ぜて炊くことでうまく補うことも可能。
玄米 評価 ★★★★★
~文句なしの★5つ ~
—エネルギー源栄養素量—
ご飯1杯=150g(写真サイズ=約0.4合)当たり
カロリー=248kcal
炭水化物=53.4g *食物繊維=2.1g
脂質=1.5g
タンパク質=4.2g
【メリット】
白米の4倍の食物繊維を含むのが特徴。
その他、比較的多く含まれる栄養素は
炭水化物をエネルギーに変えるビタミンB₁=0.24㎎ ⇄ 白米=0.03㎎ の8倍
不足しがちな鉄分=0.9㎎ ⇄ 白米=0.2㎎の4.5倍
塩分の排出を促すカリウム=143㎎ ⇄ 白米=44㎎の3倍
【デメリット】
白米に比べて若干高価になる。味に多少の癖があり、炊き方も工夫が必要。
✔炊飯のポイント
最初は味が気になるなという方もいらっしゃると思いますので、白米に玄米を少しずつ混ぜて炊くといいと思います。オススメの割合は白米:玄米=3:7位です。炊飯炊きをする際は、白米のみで炊く時よりも少し多め(1.1倍)の加水量で炊くとふっくら炊けます。また、水が米の内部まで浸水するまでの時間が白米よりもかかるので、6時間前までには浸水させておくといいですね。
お餅 評価 ★★★☆☆
~レースの日の食事に~
—エネルギー源栄養素量—
お餅1個=50g(写真サイズ)当たり
カロリー=117kcal
炭水化物=25.4g *食物繊維=0.3g
脂質=0.3g
タンパク質=2.0g
【メリット】
特徴でもある “消化の良さ” を活かして『レース直前の食事』として活用できる。胃腸内での消化吸収のスピードを抑える要因になる脂質・タンパク質・食物繊維が他の食材よりも少ないため、レース時により良いコンディションで走るためにはオススメの食材です。手軽な磯辺焼きや、お雑煮にすると美味しく召し上がれると思います。
【デメリット】
“主食” として食卓に出すにはあまり合わない。栄養素の面からも普段から多量の炭水化物を摂る必要のない市民ランナーには、必要性は低い。
パン
食パン 評価 ★★☆☆☆
~脂質と塩分が△~
—エネルギー源栄養素量—
食パン6枚切り1枚=60g(写真サイズ)当たり
カロリー=158kcal
炭水化物=28.0g *食物繊維=1.4g
脂質=2.6g
タンパク質=5.6g
食塩相当量=0.8g
【メリット】
保存性も比較的よく、調理の手間もほとんど無いため手軽。
【デメリット】
脂質と塩分が足を引っ張る。上記の数値は食パン1枚当たりになるため、2枚食べる場合やバターなどを塗って食べる場合は更に加算されるようになる。
クロワッサン(デニッシュ)
評価 ★☆☆☆☆
~ “ハレの日” 用で~
—エネルギー源栄養素量—
クロワッサン1個=40g(写真サイズ)当たり
カロリー=179kcal
炭水化物=17.6g *食物繊維=0.7g
脂質=10.7g
タンパク質=3.2g
食塩相当量=0.5g
【メリット】
美味しい。“心の栄養補給” として召し上がりましょう。
【デメリット】
バターをふんだんに使って “サクサク感” 作り出すため、他の食事に圧倒的に脂質が多い。1個当たりの量も少ないため、クロワッサンを1個で済ませても、その他の食べ物に手がいきがちになることも。
フランスパン(ハードパン)
評価 ★★★☆☆
~顔の “フィットネス” にも!~
—エネルギー源栄養素量—
バケット4枚=80g(写真サイズ)当たり
カロリー223kcal
炭水化物=46.0g *食物繊維=2.2g
脂質=1.0g
タンパク質=7.5g
食塩相当量=1.3g
【メリット】
フランスパンは『バターを使わない』ため、脂質が少ないパンになります。硬さもあるため、噛む力(ほほ周りの咀嚼筋)のトレーニングにもなります。
【デメリット】
焼きたてでない限り、そのままだと硬すぎて食べられない。オーブンで数分焼いてから食べる必要がある。また、小麦由来のタンパク質(グルテン)が主なタンパク質の成分になるため、胃腸ケアのためにも食べ過ぎには注意。
麺
*麺のみの栄養素量で表示してます。
ラーメン 評価 ★★★☆☆
~今では国民食ですが⚠~
—エネルギー源栄養素量—
麺の茹で重量=250g(写真サイズ)当たり
カロリー373kcal
炭水化物=73.0g *食物繊維=3.3g
脂質=1.5g
タンパク質=12.3g
食塩相当量=0.5g
【メリット】
炭水化物を多めに摂りたい時には、比較的食べやすい料理。価格・アクセス・気軽さの面では利用しやすい。
【デメリット】
『スープ』が厄介者。味付け次第ですが、塩分や脂質が多いスープは嗜む程度に1~2杯に抑えて、潔く残すことがベター。ラーメン屋ではほとんどの場合が『単品提供』のため、野菜などの他の食材をバランスよく取ることが難しい。
うどん 評価 ★★★☆☆
~早い・安いの定番ですが⚠~
—エネルギー源栄養素量—
麺の茹で重量=250g(写真サイズ)当たり
カロリー263kcal
炭水化物=54.0g *食物繊維=2.0g
脂質=1.0g
タンパク質=6.5g
食塩相当量=0.8g
【メリット】
脂質・食物繊維が少ないため、消化しやすい。体調が悪かったり、胃腸が疲れている時にはオススメ。
【デメリット】
炭水化物に偏りがちになる。ワカメやネギ、エビの天ぷらなどをトッピングしてバランスを整えましょう。
パスタ 評価 ★★★★☆
~ランチセットでバランス良く~
—エネルギー源栄養素量—
麺の茹で重量=250g(写真サイズ)、乾麺=100g当たり
カロリー413kcal
炭水化物=80.0g *食物繊維=4.3g
脂質=2.3g
タンパク質=13.5g
食塩相当量=3.0g
【メリット】
オリーブオイルを使ったペペロンチーノの場合、血糖値の上がり方を抑えてくれます。サラダやスープなどが付いたセットメニューの場合は、“べジファースト” ができて血糖値上昇を抑えられる。
【デメリット】
茹で上げでも食塩量が多いため、血圧の気になる方は注意。イタリアンのディナーでは野菜が不足しがちで、炭水化物過多になりがち。
蕎麦 評価 ★★★★☆
~蕎麦単品で考えれば◎~
—エネルギー源栄養素量—
麺の茹で重量=250g(写真サイズ)当たり
カロリー330kcal
炭水化物=65.0g *食物繊維=5.0g
脂質=2.5g
タンパク質=12.0g
食塩相当量=0.0g
【メリット】
主食の食材の中でも、トップクラスの食物繊維量を摂れる。血管系への+の効果を持つルチンなど、機能性を持った栄養素(=ポリフェノール)も豊富に含む。
【デメリット】
せいろのみなど、炭水化物に偏りがりに。値は張るが、タンパク質や野菜を取るために天ざるや鴨せいろなどの『種物』やちょっとした『箸休め』をチョイスするのが良い。
主食は主菜・副菜に比べて多くの量を食べる料理になります。栄養素の小さな違いでも『塵も積もれば山となる』のように、長期的には健康状態に大きな違いを生み出す料理です。
それぞれの食材・料理の違いを知って、日頃の主食の配分を意識してみて下さい。
また、『素材』の違いによってもワンランクアップして召し上がることもできます。
評価が悪いから食べてはいけないという訳ではありません。それぞれの善し悪しを分かった上で、楽しく、美味しく、健康に、ランニングライフを継続していきましょう!
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